今回ご紹介したい作品は『キングダム』です。集英社が発行している『週刊ヤングジャンプ』にて2006年9号より連載が続けられている原泰久先生の作品です。

単行本は2019年9月現在55巻まで発行されており、発行部数は1 – 54巻までの累計で3800万部以上を数える大ヒット作品です。

アニメ作品としても発表されており、2012年6月から2013年2月にかけて第1シリーズが、2013年6月から2014年3月にかけて第2シリーズがNHK BSプレミアムにて放送され、NHK総合で地上波再放送されました。

2018年4月の第50巻達成を記念して実写映画化が発表され、2019年4月に劇場公開されました。原作が大好きな私でも最後は涙なしには終われず、とても良い作品でした。

『キングダム』1巻の圧倒的インパクトで作品の虜に(あらすじ)

まずは1巻から手にとって見てください。あなたの期待を裏切る結果となります。

物語は紀元前の中国、春秋戦国時代。2人の主人公信(しん)が幼馴染である漂(ひょう)と剣術の修行をしているシーンから始まります。

2人は戦争孤児で身分の低い立場でありながら、日々天下の大将軍になるために修行に励んでいます。そこへ秦国の文官・昌文君(しょうぶんくん)が偶然その場を通りかかり、漂だけが王宮で働くよう話を持ち掛けられます。残された信は悔しさがありつつも幼馴染の出世を喜びます。

しばらくして信の家の戸を誰かが叩きます。見てみるとそこには血まみれの漂が、、、。そして漂の残した手紙を頼りに記された場所へ行くと、そこには漂と瓜二つの人物が、、、。

瓜二つの人物は政(せい)。秦国の王様だったのです。

そうして2人が秦国を治めるまで、そして戦国七雄(せんごくしちゆう)と呼ばれる中国の戦国時代に有力だった七国を統一するまでの秦の始皇帝のお話です。

1巻の初めにカラーで描かれた信の姿がこの物語の結末を記しています。まず初めに結末を記してからこの物語は始まります。

信は、漂と約束した「天下の大将軍になる」という夢を政と共に叶えるため、様々な敵と戦い、武功を上げていきます。

世は戦国時代。秦、楚、斉、燕、趙、魏、韓という7つの国はそれぞれの国の領地を狙い闘いを繰り広げます。

特に趙国の武官「李牧(りぼく)」が最大の敵となり、秦の中華統一の野望にいち早く気づき、それを阻止すべく各国と手を結び合従軍を結成したりと知力を用いて中華全土を揺るがす大戦の火付け役となります。

また、信が天下の大将軍になる上で最も重要な人物は王騎(おうき)将軍と言えるでしょう。彼の類まれなる武の力に加え、戦況を見渡せる知力、そして何といってもあまりにも濃いキャラクター。彼のストーリーが後の信に与えた影響は計り知れません。

『キングダム』のキャラクターが作品に重厚感を与える(キャラクター紹介)

キングダムには、魅力的な登場人物が多数出てきます。数が多すぎるためここでは全てご説明することは難しいですが、主要なキャラクターについてご説明します。

まずは、主人公・信(しん)。あらすじでも書いた通り、この作品の主人公です。漂と日々鍛錬を重ねたこともあり、類まれな強さを持っています。性格も闘い方も少し粗削りな彼が、多くの闘いを経て少しずつ精神的にも成長し、闘いが洗練されていく姿を作品を通して発見することができます。

信と共に中華統一を夢見る秦国王政(せい)。女性人気も高いこのキャラクターは、政治力を通して彼の魅力を発揮します。初めは、弟に反乱を企てられ地位を失いかけますが、闘いに勝利し地位を取り戻します。それからも様々なキャラクターが彼の立場を狙い続けますが、信(しん)の友情により、秦国、さらには中華全土を統一すべくその指揮力において大きな成長を遂げます。

信の成長において避けて通れないキャラクター王騎(おうき)将軍。この漫画でも1、2を争う人気キャラクターです。秦国六大将軍の一人で、かつてありとあらゆる戦場に出かけ、その武で猛威を振るったことから「秦の怪鳥」と呼ばれていました。初めは不気味で相容れない人物でしたが、信を気に入り独特の方法で修行をつけます。趙国との闘いで龐煖(ほうけん)に敗れますが、その影響力は後の信に大きな影響を与えます。

王騎将軍と並んで人気なキャラクターと言えるのは、秦の西側に位置する一帯を束ねる王・楊端和(ようたんわ)。他の山民族からは「山界の死王」と怖れられていますが、実は女性であり、山民族を武力で統合していくほどの武力と指揮力を持ってます。

信や政が中華を統一する上で最も天敵となるのが、趙の宰相・李牧(りぼく)。元は武人でしたが、政治力に長けている天才軍師。敵も味方をも欺く徹底した情報封鎖で、秦国の中華統一を阻みます。実は、無駄な血が流れることを好まない平和的な武将でもあります。

『キングダム』信と政の物語はここから始まった

キングダムは現在55巻まで発売されており、現在までに様々な物語が描かれています。

しかし、キングダム序盤『王都奪還編』無くしては、キングダムを語る事はできないでしょう。実写映画『キングダム』でもこの『王都奪還編』が描かれています。

あらすじにも紹介した信と政の出会い。政の弟・成蟜(せいきょう)は、自らが秦国の王となる人物であるとし、政に反乱を仕掛けます。

本当の兄弟ではありませんが、妬みや恨みが入り混じったこのドロドロとした身内同士の闘い。誰が秦国の本当の王になるのか。キングダム序盤にして、韓国ドラマのような血みどろの政治的な争いは、様々なキャラクターを通してワクワクするような爽快な物語へと変化していきます。

この物語で欠かせない人物『山の民』率いる楊端和(ようたんわ)。政の軍は、成蟜の反乱により散り散りになり、とても反乱を止めることはできないほど弱体化してしまいます。しかし、政と楊端和の目指す世界が合致し、政の軍と楊端和率いる「山の民」軍が共に成蟜の反乱に立ち向かうのです。

私はピンチの時にやってくるキャラクターが大好きで、「山の民」軍はまさにこのピンチの時にやってくるスーパーヒーローです。私にとってはアベンジャーズみたいな最強軍団です。ぜひこの山の民の雄姿を皆様に見て欲しい。何とも言えないおどろおどろしい仮面をつけ、腕を組んで馬に乗っているのです。そして、絶対の王楊端和への忠誠心の元、恐怖心すら感じさせず敵めがけて突っ込んでいきます。

身体能力の高さから、成蟜をどんどん倒していきますが、途中仲間がやられてしまいます。もうだめかと思ったその時、やられていたと思っていた仲間が実は死んだふり。敵近くに倒れていて急に起き上がり敵をさらに倒していきます。圧倒的な武力に加え、このずる賢さは私を夢中にさせました。

ぜひ漫画や映画をご覧になり、どろどろした人間模様、そして「山の民」の雄姿をお楽しみ下さい。

まとめ

いかがでしたでしょうか?キングダムの魅力を十分伝えられたでしょうか?

ただ、この物語。現在55巻まであるのに、漸く中華統一に向けて動き出したばかりです。

まだまだ物語は終わりません。いつになったら1巻の巻頭カラーページの信(しん)の姿が見られるのでしょうか。

原先生は、「100巻までには終わりたい」と話されていましたが、このペースでいくと本当に100巻で終わるのでしょうか。

むしろ終わって欲しくない。常に次の話が気になってしまうそんな作品です。

そんな『キングダム』最新刊である55巻を無料で読む方法を紹介したサイトがあったので紹介しておきます。
『キングダム』55巻を無料で読む方法がある!?

この記事を書いた人

©ロナウド
サッカーと漫画を愛する30代。
好きな選手はクリスティアーノ・ロナウド。